多肉の増やし方にはいろんな方法があります。胴切り、挿し木、成長点潰し、葉挿し、実生…今回はその中で葉挿しについて紹介します。
葉挿しとは読んで字のごとく葉っぱを挿して増やす方法です。
今回葉挿しの実験台になってもらうのはこの子、ブラックローズ(黒薔薇)です。
この株の下葉の根本近くをつまんでゆっくり左右に揺らすとこんな感じで葉っぱがとれます。取った葉の根本にピンクのぽっちが見えれば大体成功です。ちぎれて株本体に少し組織が残っているとその葉っぱは葉挿しには向きません。大体の場合そのまま枯れてしまいます。
株により左右どちらかの方向に揺らした方がもぎりやすいというのがあるので、最初の数枚はダメにするのを前提でもぎってみましょう。多肉は株元にいくほど葉が古く、上の方にいくほど新しいのですが、新しい葉っぱの方が比較的簡単にもぎることができます。また幼苗の方がもぎりやすく、成熟した株は少し難しい傾向にあります。
もぎった葉っぱを土に挿して根と芽がでるまでひたすら待ちます。置場所は、直射日光が当たらない半日陰や、遮光下で管理します。使用している土は普段多肉を育てている土と一緒で、培養土:赤玉土:鹿沼土=1:1:1です。
これをしばらく放置するとこんな感じで芽がでてきます。
↓白牡丹とオウレイの葉挿し
↓レッドモランの葉挿し
芽と根が出る期間ですが、早いもので約2週間、遅いと1年かかるものもあります。気温が暖かいと比較的早期に出やすい印象があります。また根だけが出て芽が出ない通称「イカ」状態になる場合もあります。
水やりについては、根が出たらあげることにしていますが、他の苗と一緒に管理をしているので、正直多少の水はかかっています。が、あまり気にしないことにしています。芽と根が出てからは水やりの頻度を多めにして成長を促します。
ある程度成長して、このぐらいの大きさ(2cmぐらいが安心)になったら一つずつのポットに植え替えてあげます。
↓マドレーヌの葉挿し
あとは普通の多肉と同じ管理をするだけです。
葉挿しの成功のしやすさですが、もぎりやすさ≒芽と根の出やすさと考えてしまって良いかもしれません。
グラプト系のようなもぎりやすい種類に関してはとても成功率が高く、エボニー系のように葉が内側に巻き込んである品種に関しては少し難しいです。
葉挿しから苗を作ると少々時間がかかりますが、小さな葉挿しが大きくなっていく様子はなかなか感動するものがあります。
皆さんもお気に入りの苗を葉挿しで増やしてみてはいかがでしょうか?